当館は、郷土の先人で県下有数の経済人であった第10世伊藤傳七翁(元貴族院議員、元東洋紡績社長)が郷土への恩返しにと、1921年(大正10年)6万円という大金を寄付し三重郡四郷村役場として建てられました。
当時としては実にハイカラな村役場で、木造2階建てで一部塔屋は3階建てになっています。正面には車寄せ、中央には玄関広場。塔屋の最南端は、らせん階段になっています。
この階段を上りつめると六畳余りの展望台があり四郷全体が一望できます。この建物は小高い丘陵の南斜面に建てられていますので遠くからも眺められ「全国一の村役場」と謳われた村民自慢の建物でした。
それから60年、時代の移り変わりとともに傷みも激しく取り壊しの運命にありましたが、地元住民の熱心な存続運動が実り、昭和57年2月、四日市市の有形文化財の指定を受け保存されることになりました。
この機会に昔の四郷を物語る歴史・民俗資料や文化財を収集し、この偉容を誇った旧役場とともに永く後世に伝えようと昭和58年11月3日「四郷郷土資料館」として生まれ代わりました。
現在、資料館は、一階のみ一般開放しており次の6コーナーで構成されています。 |